往年のウルトラマンシリーズの監督のひとり、実相寺昭雄さんによる
怪獣イラスト集「ウルトラ怪獣幻画館」にかんたんいたしました。

 

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実相寺監督は様々な領域に関心や才覚をお持ちの方だったようです。

お絵かきもお好きだったようで、誰に見せるためでもなく
膨大な数のイラストを遺されたのだとか。



監督作品としてはウルトラマンのジャミラ回(故郷は地球)や
ウルトラセブンのメトロン星人回(狙われた街)が有名ですが、
ガマクジラ回やガヴァドン回も手掛けてはったんですね。

言われてみればシュールな演出と脚本に共通項があるような気になります。



こちらのイラスト集でも、監督された回の怪獣を中心に
様々な情景を描かれています。

(写真を貼りたいのですが怒られそうなのでよしときます)


どの怪獣もウルトラマンも、愛嬌と、あの頃への憧憬が漂っていて、
心が豊かになるような思いです。

構成上はやはりメトロン星人やジャミラが目立ちがちですが、
個人的にはテレスドンやスカイドンへの愛着が増しました。


ご自身で監督されていない怪獣たちの中ではぺスターがよかったですね。
「造形には美学あり」とコメントが添えられています。
お気に入りだったんでしょうか。
私もぺスターの着ぐるみ・スーツアクトが好きです。

 

とりわけ郷愁を感じたのは旧円谷プロ怪獣倉庫を描いた
「怪獣たちは何を夢見る…」というコメント付きの作品です。

撮影を終えた怪獣の着ぐるみが多数吊るされている光景、
これこそが本当の怪獣墓場なような、案外居心地のよい墓場なような、
一種の艶やかな妙を感じる素敵なスケッチなんですよ。

 ※まさかこの怪獣たちも後にウルトラファイトやレッドマンの
  撮影に駆り出されるとは思ってもいなかっただろう

 

 

この作品は製本もよい仕事がされています。

イラスト集という性質を踏まえ、ノド元までしっかり開くような
特別な仕立てがなされているのです。

こういう配慮、地味ながら素晴らしいと思います。

 

 

文庫でページ数も少ない作品ですが、見応えがあって
思い出に耽れて新鮮な発見もある、とてもよい本であります。

将来古本屋さんとかで珍重されることでしょう。

ウルトラマンファンの方はいまのうちに是非ご覧になってください。

 

 

成田亨さんの画集も欲しいんですよねえ。

青森県立美術館に作品や資料がたくさん収められているそうですけど、
なかなか青森には行く機会が……うごごご。


青森出張の予定が入りますように。
あるいは関西か東京辺りで回顧展が開かれますように。